当施設の様な「脈診」でもって体全体の何処の経絡が弱っているのか、また、その弱い経絡を中心にまず強くしてそれから体の全体の気の調整を行うのが通常だ。

経絡を中心に鍼灸の施術を考える様なスタイルの鍼灸院では「証」(あかし)(しょう)と言って、まず弱い経絡の気を補う「補法」(ほほう)を行う事が一般的です。

その一番体の弱い部分に当たる所が「肺」でしたら「肺虚証」と呼び、脾経が一番弱い場合は「脾虚証」と呼びます。男性は東洋医学では「陽体」と呼び、陽の性質のために

陽の気は左から入って来るために男性の適応側は通常左側から取ります。そして女性は陰体なので陰の気が旺盛な右側から適応側を取ります。そして健康側から取ります。

ですので、例え男性であっても左側に偏って変調がある場合には右側から取ります。

久病と言って慢性病の場合と急性や亜急性などあまり時間が経っていない病とでは適応側も変わります。また、しかし、適応側が変わりやすい人や反対側の人も居ます。

腰痛は腎の主り

例えば腰痛を例にとります。基礎中医学や東洋医学概論、東洋医学臨床論など学校では学びます。

その中で腰痛は「腎」の主りと学びます。腰痛と言うと腎をまず疑う事は正しいと思います。

しかし、臨床上、経絡だと必ずしも腰痛=腎虚とはならないのです。

この辺りの掘り下げで施術結果が分れるのです。学校で教わった通り、教科書通りには臨床では通用しません。

この考え方は2通りあります。

1つは他の四つの臓腑が腎に少しでも何らかの影響を及ぼして腰痛を発生させたという理由。

2つ目は腎以外の他の臓腑の変動で腰痛が引き起るケース

と2通り考えられると思います。この辺りが経絡で考える面白い所です。

他に筋を主る肝経も腰痛の原因となります。肝経腰痛は激しく痛みます。急性のぎっくり腰や椎間板ヘルニアの激しい痛み時に多いです。

しかし、腎や他の証の時もあります。生兵法は大怪我の元です。

じゃあ何故「肝経の腰痛は激しい痛みが多いという定義があるのか」という事です。

経絡で診ると虚と実があります。肝経の変動は激しい腰痛が起こりやすいという意味です。

肝経が虚の場合。→陰虚により内熱を生じている状態が多く、火穴や合水穴にて熱を取る事が必要です。

母である腎も陰が虚している事が多い。腎と肝が虚して初めて肝虚証が成立するのである。

逆に実の場合→激しく肝が実している時も痛みが激しくなります。この時は金克木の関係が崩壊し木侮金の関係となり、

肺が肝を抑えきれず肝実になるケースです。結構多く、肺虚証の延長で起こりやすいです。

タバコを吸っている人も肺虚証が多く、これもあくまで多く、タバコを吸って居ても他の証もあります。

また、肺に負担が絶えず掛かって居ると、肝を抑えきれないのです。そして、肝は実し易く、熱を持ちやすい臓なので肺の虚は更に拍車を掛けるのです。

また、肺と共に肝も虚するケースがあります。それを肺肝相克と呼びます。逆に肝肺相克や肝虚肺実などのケースもあります。

脾虚肝実→肺虚肝実の場合と肝実のパターンは一緒ですが、

肺虚は肝実は金克木で肝を抑えるべく金が抑えきれず肝が実になっているのに対し脾虚肝実は木克土で抑えるべく木がますます強くなって脾の虚を起こしてしまう事が違いです。

これも脾肝相克や肝脾相克があります。また肝虚脾実などもあります。
経絡を整える基本定義が何種類かあります。

①虚を補う事が第一。

②陰主陽従。

③虚すればその母を補い実すればその子を寫せ。

④急なれば標を治し緩なれば即ち本を治す。

以上が経絡を整える基本定義です。そして

①は一番弱い虚の五臓の気を補う事を意味します。

そして②は経絡には深い部分の陰経と浅い部分の陽経があり、陰の経の虚を補う事がまず基本となります。その上で陽経の状態を診て整えます。

③はその虚した経絡を補う時に、例えば「肺」が虚した時は肺の金穴を補う他にその母経である脾経の金穴である商丘穴を基本に補法を行うのです。

例えばこれは肺虚証の基本穴である「経金穴」を例に挙げましたが

肺虚証で逆気而泄などがある場合には合水穴を取穴します。脾土穴である陰陵泉穴や肺経の合水穴である尺沢穴を取穴する事も多く、決して単純なものではありません。

そして、

④は急性の痛みの事です。なので当施設ではぎっくり腰や激しい腰痛症などで痛みが強い場合は、

本治法(経絡を整える)事を行う前に腰の痛い部分の施術を行います。

また、大抵は「陽経」の経絡が冒されている事がとても多い。陽経は気の動きがとても早く激しい痛みを伴って居たり、

熱がガンガン上がる時や熱感がある時は所謂「邪正抗争」を行って居る時です。

動きの速く浅い経絡を上手く使う事が大切です。そして、寫法的な※2施術が多いです。※2寫法とは要らない物を取る、捨てるという意味。その方が効率が良い訳です。

仙台近郊やそれ以外の方へ

当施設のホームページや美容鍼ホームページなどでも「脈診」や「経絡調整」という事を述べておりますが、これ位、若しくはそれ以上奥の深いものだとお分かりでしたか?

これを皆様が分かりやすいように少しでも咬み砕いて簡単に書いて居りますが、大変奥深い物なのです。

経絡や「気」の概念に興味のある方はお気軽にお越しください!

(適応側とは施術を行う側を呼びます。)適応側は学者や古典研究家、流派などに依り古典などの文献の要約や解釈の違いがある現状です。

 

 

東洋はり医学会と日本刺絡学会との出会い

私を育てて頂いた東洋はり医学会という所は脈診に特化した脈診には唯一無事の厳しい学術団体であり
古典などの解釈と照らし合わせてた他に、沢山の臨床結果や鍼灸師同士が互いに模擬患者となってデータを取り、
研究に研究を重ねた結果、統一見解を出して居りました。
私はその東洋はり医学会では、地方支部と東京本部会員とあり私は宮城支部の会員と本部会員でした。
そこで沢山の先生方と出会いました。そして会長が仙台で学術大会を開いた時には役員をやって居りました。
毎月東京で全国のやる気のある鍼灸師が大勢集まります。夏には東京のホテルを3泊4日位で貸し切り
全国、そして海世界各国の外の支部から大勢の鍼灸師やドクターが集まり勉強会を行うのです。
普通部から始まり普通部2年、高等部、研究部までありますが、私も研究部まで出て居ります。そして
その間、沢山の先生方が見ている中で治験発表を3回行いました。なので今でも全国に共に学んだ繋がりのある先生が沢山居るのはそのためです。共に学んだ仲間です。
「この先生凄いな」と心から尊敬する先生は何人か居ります。皆実績のある年配の男性の先生方です。
今でもお世話になって居り何かあると直ぐに
情報交換させて頂いて居り心から尊敬して居ります。
その学んで来た古典派鍼灸をベースに経絡の気の調整と更に当施設では現在
刺絡という2弾打ちで今まででは考えられない様な良き成果を出して居ります。東洋はり医学会には「関西支部」というものがあり
日本刺絡学会の治験発表などを見ていると関西支部の方の発表が多く載って居ります。
古典派鍼灸と刺絡というスタイルや考え方が私と似ており親近感を覚えます。
現在は私はその刺絡を専門に学ぶ日本刺絡学会に所属して居ります。そこでもとても厳しい認定実技試験にも合格しました。
日本刺絡学会でお会いする先生方に直接お話をお聞きする機会があり、聞いてみると、
今まで私が学んだジャンルとは全く違う鍼灸のスタイルがある事に驚きました。そして勉強になりました。古代九鍼や焼鍼と言って鍼を焼いて行うなど
色々あるのだなと思いました。この刺絡学会ではまだ「治験発表」を行なった事がありません。今後の目標にして居ります。
脈診と刺絡は私が鍼灸師になったら「必ずやる、どうしてもやりたい!」と決めていた2大武器です。「1本の鍼と一つまみの艾、一滴の於血」
これがあれば何でもできる!「さあ、今直ぐどんな病気でもどこからでも早く掛かって来い!」

私はこの2つの武器があれば何でも出来ると闘志を燃やし意気に燃えて居ります。常にその様な姿勢で施術に向かって居ります。