東洋医学で身体の状態を示すものの指標として証(”あかし”とか、”しょう”と呼ぶ)があります。

東洋医学の長所であり特徴である全身的な診立てを行う事に依り今のお身体の状態が、ある程度把握が出来るのです。

証を立てて、鍼灸の施術方針を決めたり漢方薬の調合を決めます。例えば漢方薬ですと、葛根湯が必要な状態ですと「葛根湯証」などがあり、

中医学でも脾経と腎経の陽が共に虚などのものを「脾腎陽虚証」などと言ったりします。

当施設の様に経絡を中心に施術して行くタイプですと「肺虚肝実証」や「肝脾相克証」など様々な証があります。証を立てる事は

中医学系や漢方医学系、そして当施設の様な経絡系などでは当然の様に最初に行われる事です。これが決まらないと施術方針、配穴がなかなか決まりません。

そして、この証が適当であったり間違うと、なかなか緩解する事が出来ません。

しかし、筋肉や骨格、血管、神経、トリガーポイントなどのみを施術の中心に考えるタイプの鍼灸院ですと、当然、証決定や全身的な診立てが無く施術が終わる事になります。

ところで、病名とその証は必ず一致するのかという事です。病名とは「何々病」というものですね。

例えばお腹を壊して「下痢」をしているとします。脾経の変動には変わりありませんが、経絡を中心に考える施術タイプですと、「陰主陽従」「虚すればその母を補う」「虚の所から施術を行って行く」などという施術法則があります。

なので、下痢の原因を起こしているのは果たして脾経の虚なのか、逆に脾経の実なのかを診ないといけません。実なのに補ってしまったら余計にお腹の調子を崩します。「鍼位でそんな事があるのか?」という人は多いと思いますが、あるんです。

それが鍼なんです。ツボって凄いんですね。だから名人、神クラスの鍼師は実はそこが違うのです。そんな凄い鍼医を昔から上工(じょうこう)と呼びます。そして、まだそこまでには及んでいない物を、下工(げこう)と呼びます。

私の昔お世話になり色々教えて頂いた神クラスで大勢の全国の鍼灸師から尊敬されて居た会長先生も「この年でも私はまだまだ下工だ」とおっしゃって居ったのを覚えて居ります。

なので、私共一般鍼灸師はまだまだ下工にも及んでおらず、日々の努力、修練、鍛錬、研究は当たり前です。そんな訳で、話は元に戻りますが、

例えば次に脾経が実の場合です。要するに、脾経が一所懸命働き過ぎて強くなって居る状態という事です。若しくは炎症反応がある時です。

ここで激しい急性の場合ですと、「急なれば即ち標を」とある通り、その強過ぎる経絡に直接的に寫法を加える事になります。実の状態を直接弱めるために余分な気や邪実を抜き去る施術を行う事になります。

しかし、慢性の場合ですと、やはり先程申した通り「虚の所を見つけ出して施術を行って行く」という事が最優先になります。

ですので、脾経が強いという事は肝か腎が虚となる訳です。なので、お腹の調子が悪くても一番の原因は肝か腎という事が言えるのです。ここで言う一番の原因とは一番弱い虚の経絡という事です。

それらが脾経と相互に調和が取れていないために起こって居るというものです。

通常、西洋医学でも下痢や嘔吐など様々な消化器症状がある場合には大体は胃腸系が疑われますが、特に悪心や嘔吐ですと心臓や膵臓、腎臓、肝臓などの病気の時にも起こります。しかし、胃腸病以外で悪心や嘔吐が出る場合、

かなりの重症となる事が殆どです。しかし、東洋医学で言う消化器症状では、例え西洋医学で胃や腸が原因だろうという時も証が腎や肝の虚が原因となる事も多いのも事実なのです。よって

通常の風邪や下痢などの場合に於いても、必ずしも下痢の場合は脾経、風邪の場合には肺が弱いとは言えない部分が面白い所ですね。

また、腰が痛い時などは、東洋医学では「腎」の主りと考える事が一般的です。しかし、同時に筋肉系は「肝」が主り、節々の痛みですと「脾経」が関与ます。

そして、その「肝経」が虚なのか実なのかで一番弱い経絡が変わって来ます。なので腰が痛くても「肺経」や「脾経」が一番弱いなんて事だってよくある事なのです。経絡を整える事は難しい事です。また、何処が一番弱いかを読み取る事も

さらに難しい事です。しかし、鍛錬されて鍼灸師のみが行う事が出来ます。

仙台近郊やそれ以外の方へ

即ち、病名と証は必ずしも一致しないという事です。むしろ証は身体の状態を知る事が出来るという事です。なので、その同じ病名の中で様々な変動を人の身体は繰り返しているという事です。

中医学系や漢方医学系はどちらかと言えば体質を改善するという意味合いでも、病名に基づいた緩解を目指す方が主であるので、その病気の間の、処方された間の変動を感受する事は実は苦手です。その様な意味では

西洋医学と同じなのです。本来はそうではないのですが、現在の製薬会社や医師を中心とした処方の仕方がその様になっているためです。また中医師在住の漢方調剤薬局等で体質の改善を目的とするために同じ漢方薬を

何か月間も飲み続ける事も実は危険な筈です。増してや素人が自自己判断で勝手に漢方薬を購入しずっと飲み続ける事は大変危険なので止めた方が良いです。

それに、間違ってそれこそ症状だけを見て薬を飲んでいる事が多いので止めた方が良いと思います。それに、漢方薬は副作用が無く無害と思って居る人も多いと思いますが、

それだけ体に蓄積され意味も無く飲み続けたり自己判断で飲み続ける事は危険です。ある意味、西洋医学の薬よりも危険な要素もあります。

なので注意が必要です。その点、経絡を中心に診て行く鍼灸の施術の場合にはその間の微妙な変動がつぶさに感じ取る事が出来るのです。そして副作用も無いので安心です。

それに経絡で気を整える事はきちんと修練した実績のある様な所で行えば、続ける価値というものは多いにあるものです。

また、変化が分からなくて直ぐに鍼に通うのを辞めてしまう人が居ります。

その辺りの経絡を整えたり体質を快方に向かわせている事が分かっていない方なのです。実は少しづつ快方に向かっている人も実は沢山居るのです。

鍼というものを「ただ刺す」イメージから「気の調整」や「身体全体の内臓のバランスを整える」等の考え方に早くシフト出来る方が増えて来ると良いなと考えて居ります。

もう一つレベルの高い考えから鍼灸を受けられる方が増えると良いな思います。

その為には、もう少し鍼灸師達が資質と技術の向上が必要なのではないかと考えております。それは病院等で病名のみの診断で苦戦している人のストレスのない

取り組みを応援実践出来る強い味方にもなり得る可能性を秘めているからです。美容鍼や様々な鍼の施術法が沢山出て来て居りますが、私は病名に左右されずに行える、

この「経絡を整える事」と

「脈診」こそが、最大の最高の鍼灸術だと考えております。そんな観点から健康法の一つとして当施設に定期的に通ってみませんか?

思い切り鍼灸を受けながら健康に元気になり色々、東洋医学や鍼灸の考え方、種類、歴史にまつわる楽しい話を沢山一緒に花咲かせましょう!

初めての方も大歓迎です!楽しい時間を一緒に過ごしませんか?